Fri, August 06, 2010
Dropboxと使い方アイディア
Dropboxというフリーウェアをインストールし、アカウントを登録すると、無料で2GBのバックアップ容量がもらえます。使い方ですが、自分のハードディスクに現れたフォルダの中に、バックアップしたいときに、ファイルやフォルダを入れるだけです。そうすると、時間のあるときに自動的にセキュリティーのかかったサーバにデータをバックアップしてくれます。「ここ」からダウンロードすると、紹介した当研究室にも、登録しようとしている人にも、両方に250MBのボーナスが与えられますので、どなたかここから登録していただけると嬉しいのですが。。。(登録とフリーウェアのインストールで完了です:追記8月14日)。
さて、細かい使い方の前に、類似サービスと比べたメリットや、研究室で使っているアイディアについて紹介します。これは無料のデータバックアップシステムですが、以下のような場合に役に立ちます。
(1)バックアップはとっているが、前のファイルバージョンに戻りたい事がある! → バックアップしているファイルが、タイムマシンのように過去のバージョンにもさかのぼって取り出せる。web経由でアクセスすると可能
(2)サーバに接続、認証、解除の手間なしに、ハードディスクのように自動にして欲しい! → FTPなどのサーバに接続して、長い時間をかけてファイルをアップロードし、転送終了を確認してからサーバを切断するなどという面倒な事をしなくても、ハードディスクのフォルダにデータをコピーする感覚でバックアップが完了する。ハードディスクにDropboxフォルダがあり、自動的にオンラインのデータをアップロード、ダウンロードしてくれるので、我々はネットのデータにアクセスしている感覚がない。
(3)この人とはこのフォルダ、この人はこちらのフォルダと臨機応変に共有したい!メールで送れない大量の大きな写真をアルバムにして共有したい! → 仲良し友達複数名でフォルダ単位でファイルを共有できる、しかもファイルを受け渡す感覚をまったくなしに自然にできる。
(4)オンラインサービスは、ネットへのアップスピードが遅いので、可能なら高速なLANを活用したい! → LAN-syncが使えるようです。研究室ではいちいちサーバに接続せずに超高速で巨大ファイルをLAN経由でコピーできる、
(5)頻繁に複数のパソコンに導入したファイルを同期したい! → 仕事のプログラム、ATOKの辞書ファイルなど、いろいろなファイルを新バージョンで共有したい場合に有効。 などと言った特徴があります。
これらの原理を活用して、是非読みたい論文PDFファイルの共有や解析プログラムの共有が可能です。メンバー全員と一つのまとまったフォルダを共有するのもありですし、先輩と後輩でミニチームで特に今興味を持っている論文を共有するのもありです。これらのフォルダは、Dropboxが知らぬうちに自動的に同期をとってくれていますので、気がつけばフォルダに素敵なファイルが自分のディスクにもう入っているという状態になります。最新のファイル集などを誰かが集中的に管理しているのであれば、それらをメンバー全員が自分のハードディスクに常に持っておくことができるのです。
我々はIGOR Proという解析ソフトを使っています。これまでは、最新のプログラムを作るたびに構成メンバーにメールでプログラムを配信し、各自がアプリケーションのプラグイン(IGORではProcedureフォルダ)にコピーする必要がありました。Shearフォルダを作ってからは、このエイリアス(リンク)をIGOR Procedureフォルダに作ることで、常に最新のプログラムが配信されれば自動的にIGORにリンクできるようになりました。
これができたのは、Dropboxが従来のFTPサーバのようにインターネット上のサーバにアクセスして、遠隔地のファイルとして扱うのではなく、見かけ上は我々の「ハードディスク内」に、いかにもいつもデータがあるように自動的に同期をとってくれるおかげです。また、IGORもIGOR Procedureフォルダ内に本物のファイルが存在していなくても(本体は他の書類保存場所においておく)、エイリアス(リンク)で別の場所にリンクをはることも可能です。そこで、Dropxボックスフォルダの特定のファイルのリンクを作り、IGOR Procedureにリンクを入れました。そうすることで、解析プログラムを時々アップデートしようと頻繁にアップデートしようと構成メンバーに業務負担がかかりません。
DropBoxの魅力はLAN-syncですね。名前の通り、研究室内のLAN回線は非常に高速なネット通信ができますから、インターネットにいちいちアクセスするより遙かに短時間で仕事が完了します。そもそもDropBoxを使いたいという理由は、バックアップ以外に、電子メールで送れる(5MB程度のまでの)ファイルサイズを越えた、巨大ファイルの転送でしょう。巨大とは言っても特別な事ではなく、数百ページの冊子のPDFやKeynoteのプレゼンファイルは、簡単に数十メガバイトにも及びますので、転送にはいつも困るわけです。その点、低速のインターネットに接続しなくても、研究室内のLANで友達同士、横のつながりで高速にファイルを渡せばDropbox側にもトラフィックの軽減になるわけです。LAN-syncの注意点は、Dropboxのインターネットに「一度は」アップロードしないといけないことです。それ以降は、複数台の研究室(同じLAN内)のパソコンが、高速なLAN経由でコピーし合います。(職場で複数のパソコンがLAN-syncできれば、ノートパソコンを持ち帰ります。自宅のパソコンはDropboxサーバを経由することなく、高速で初回の同期が完了します。セットアップが完了すればその必要もないでしょう。。。)
この手のサービスは、とっても魅力ですが、あえて欠点と言えば、影でひっそり行うファイルのアップロードがとても遅い事です。ですから緊急コピー(例えば帰宅前に絶対にデータを持ち帰りたい場合)には、外付けドライブにコピーとなります。アップルのMobileMeは月額1万円近い有料サービスである上、アメリカのサーバとの通信が遅いと言われますが、アップロードで300kB/s程度は出ていました。その一方でDropboxや類似サービスのZumoDriveでは計測してみたところ、我々の環境ではその十分の一程度でした。ZumoDriveはDropboxと違ってサーバにアクセスしにいくタイプのサービスですが、動画や音楽のストリーム(読み込んだところから)再生できる点がうりで、iPhone等には魅力的な機能です。帰宅の前にはパソコンをシャットダウンして帰りたいのですが、アップロードがまだだと、パソコンを付けっぱなしにしたくなります。そこでアイディアですが、もし研究室内に常時電源オンのサーバ的パソコンがあれば、LANで(我々は画面共有、リモートコントロールで)そのパソコンを操り、そのDropboxフォルダに一瞬でデータをコピーして、自分のパソコンはオフにします。そうすると、常時起動のパソコンからアップロードしてくれるので、帰宅した頃には、家のパソコンにも同期したデータが届いている状態になります。
完全な共同作業とは言いませんが、複数名でプレゼンファイルの修正を行う場合にも、共有した同期フォルダは便利です。Growlというフリーウェアでデスクトップにポップアップで通知するとさらに便利です。ファイルのアップロードはやや時間がかかり、同時に複数名がアップロードした場合、より新しいファイルが採用されます。よって、完全なリアルタイム共同作業は難しく、お互い声を変え合う必要はありますが、遠隔地でも仕事が進むことを考えるとぐっと便利になりましたね。最近はiPhoneで出先でもPDFやプレゼンが見れますから、Dropboxは必須のサービスですね。有料版は50GBという容量がもらえるそうですが、我々は2GBで十分ですかね。以上、上に掲げた4つのメリットをいかしてくださいね。Evernote、Dropbox、GoodReaderはクラウド、モバイルを仕事にフル活用するための三種の神器ですね。
(追記8月14日)・職場と自宅など、同期したいファイルが根本的に異なる場合には、1台のパソコンに2台のDropboxアカウントを入れることが可能。本家(英語)で紹介されています。さらに、日本語で丁寧に紹介されている方がいました(リンク)。
・ver0.8以降で、Finderのラベル色も同期できるようになっています!Dropboxのダウンロード画面(ログインしてしまっている場合、左下の方の"install"という小さい字のリンク)から、右中央の"View release notes"にいけば、この段階ではまだお奨めされていない(もしかすると不安定であったりバグがあるかもしれない)バージョン0.8xがダウロードできます。
・ver0.8.62で、Mac版はCocoaアプリになり、メモリ使用量が削減されます。
・Dropboxの容量が大きな人は、全部が同期すると困るパソコンがあるかも知れません。ver0.8x以降では、一部の同期が可能になっているようです。
・今日現在、MobileMeではシンボリックリンクは壊れるが、Dropboxでは使用可能。当方の場合、PDF論文と大きな本は保存場所をわけていますが、同一分野を集中的に勉強したい場合、本のエイリアス(リンク)を入れておきたい場合があります。
posted at August 6, 2010 01:01 AM
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